カッコ悪い自分に捧ぐ

都内で働くOLが日々考えていることを綴るブログ。カッコ悪い自分をさらけ出すのは勇気がいるけど、ありのままで生きていきたいなと思ってます。

宗教の勧誘

大学2年生になる直前の春休み、私はかなり落ち込んでいた。

何もかもに自信を失くしていた。

 

まず、大学に入った途端、

不規則な生活に溺れて体重が10キロ以上増えてしまい、

鏡を見るのも嫌になった。

 

そして、入学後に、大学デビューを目論んで入ったサークルに馴染めなさすぎて、

結局1年で辞めてしまった。

 

大学の授業も適当に受けていて、

レポートをコピペして出したら一発でバレて、

教授に呼び出されてこっぴどく叱られて、

大学の事務室で大泣きしながら謝った(自業自得)。

 

英語が得意だと思っていたけれど、TOEICの点数が全く伸びず、

英語の授業も追試となり、

プライドがずたずた(全く勉強してなかったから、これも自業自得)。

 

女子大生は黙っていてもモテると思っていたのに、

太ってからより卑屈になったこともあり、

全くモテず、彼氏ができない(これはきっと性格の問題だからやっぱり自業自得)。

 

自業自得とはいえ、これらのことが重なって、

私は何にも希望の持てない春休みを過ごしていた。

 

そんな私に、ある日声をかけてくれたのが、ルミさん(仮名)だった。

 

ルミさんは、みんなで集まってお菓子を食べながら、

心理学について勉強するみたいな集まりがあるから来ないか、

みたいなことを言ったと思う(詳しい誘い文句は覚えていない)。

心理学は興味があったし、無料だというので、

一度顔を出してみてもいいかなと思った。

 

そして、何となく私はその集まりに参加するようになった。

最初に少し心理学の講義などを聞いて勉強した後、

ルミさんや他のメンバーとお茶しながら話をした。

 

1回1時間くらいの時間だったし、

何より新参者の私にみんな親切で、

サークルを辞めて友達も少なかった私は、

居場所ができたような気になっていた。

 

時々お泊りイベントのようなこともあって、

それも学生時代の合宿みたいでとても楽しかったことを覚えている。

 

そうやって数ヶ月ほど過ぎたとき、

とうとう、私は真実を告げられたのだった。

 

その時の私は「まあ、そりゃそうか」という感じで、

それほど驚いたりはしなかった。

 

今まで頂いたお茶やお菓子や、講義の費用など、

全て無料というのは親切すぎると思ったし、

はっきりそうとは確信が持てなかったけれど、

何となく、宗教ぽいなと思うようなことがあったから。

 

でも、他に居場所もなくて、

宗教を信じるふりをしてそこに居続けようかとも思ったけれど、

やはり限界がある。

それに、布教活動もしなくてはならないだろうし、

信じてもいない宗教に根気強く誰かを誘うガッツなど、

私は当然持ち合わせていなかった。

 

それで、仲良くしてもらった分ルミさんには申し訳ない気持ちもあったが、

音信不通という形で、

私は当然、その集団からフェードアウトしたのだった。

 

連絡先を交換した人からは何度か連絡が来たし、

ルミさんからは手書きの葉書が来たりもした。

だけど、しばらく放っておいたら、自然と連絡も来なくなった。

 

そんな事があったけれど、

私は今でも、ルミさんのことを悪くは思っていない。

 

自業自得とはいえ、何もかも上手くいかなくて、

理想とあまりにもかけ離れた生活に嫌気が差していた当時の私にとって、

どんな目的があったにしろ、

明るく声を掛けてくれたルミさんに、

少なからず心が救われたことは確かだった。

 

宗教の勧誘という目的がなければ、

ルミさんは私に声を掛けたりすることはなかったわけで、

そういう意味では、私は一瞬だけ、

宗教に救われたのかもしれなかった。

 

ルミさんの一件で、宗教に対する考え方も、少しだけ変わった。

無理に勧誘したり、家族や他人を巻き込むのは絶対に良くないけれど、

宗教によってその人の人生が格段に良くなったのなら、

その人にとっては、宗教は正解だったのかもしれない。

 

でも、誰かにとっての正解が、他の人にとっての正解とは限らない。

私にとっての正解は何なのだろう。

今でも分からないから、ずっと模索している。