カッコ悪い自分に捧ぐ

都内で働くOLが日々考えていることを綴るブログ。カッコ悪い自分をさらけ出すのは勇気がいるけど、ありのままで生きていきたいなと思ってます。

夫と結婚した理由

私の地元は田舎で、山のふもとのような場所にある。

子どもの頃は、鳶職をしていた曽祖父が建てたという大きな家に、

祖父母や両親と一緒に住んでいた。

 

父は仕事が忙しくて、単身赴任もしていたし、

祖母は早くに亡くなった。

だから、専業主婦の母と厳格な祖父、

そして私を含む子どもたち4人での生活が長く続いた。

 

家では祖父が絶対的な存在で、

テレビのチャンネルもご飯もお風呂も、

全部祖父が1番だった。

たまに父がいれば、父が2番。

それは、祖父母と同居する田舎の家庭では、

そんなに珍しい事ではなかったとは思うが、

今思えばかなり気疲れする生活だった。

 

親や祖父母を敬う姿勢が自然と身についたのは良かったかもしれないが、

正直言って、

年功序列という考え方は、もはや今の時代にはそぐわない価値観だ。

 

家では子どもたちや母には何の権限もなくて、

特に母は気難しい祖父に気を遣いながら、

家事と育児の全てを担う生活に、

かなりストレスを溜めていたと思う。

 

母は一度怒ると、手をつけられないほど感情的になった。

普段からいろんな感情を溜めていたからこそ、

それが爆発したとき、

自分でもコントロールできないくらいに、怒りが止まらなくなるようだった。

 

私は、祖父と父だけでなく、母の事も随分と恐れていた。

 

そんな厳格な家庭で育った私は、

自由で風通しの良い家庭に憧れた。

気を遣わず言いたいことは素直に言えて、

お互いの意見を尊重して、

笑いの絶えない家庭を築きたいと思った。

 

だから、結婚するなら、気さくで面白い男性が良いと思った。

 

お酒もタバコもギャンブルも全然OK。

遊び心を持っていて、

人生をとても楽しんでいて、

自分の家庭を好きでいてくれる人。

よくしゃべる人がいい。

私をいっぱい笑わせてくれて、

自分の子どもを心から愛してくれる人。

 

今の夫はまさにその条件を満たす人で、とにかく面白い人だ。

面白い人の何が最高かって、

お金を使わなくても、

その人と一緒に家にいるだけで毎日が楽しい。

 

時効警察」というドラマで、

夫を殺した妻の動機が「とにかく話がつまらない」だったという事件があって、

まあ殺すくらいなら別れればいい話だけれど、

ちょっとだけ妻の気持ちが分かるなあと思ったことがある。

 

夫とお付き合いする前、婚活していたときに、

縁あって真面目で誠実そうな男性を紹介されたこともあった。

とても優しそうで、お酒も飲まないし、

もちろんタバコもギャンブルもしないと言っていた。

「ああ、結婚するならこういう人がいいんだろうなあ」と、

頭では分かっているのに、

心はまったく動かなくて、結局お断りしてしまった。

 

夫はお酒もタバコもギャンブルも大好きだけど、

私を大切にしてくれていることを態度で示してくれるし、よくしゃべる。

言葉選びのセンスが私のツボなのか、

ちょっとした会話の中でも随分と私を笑わせてくれる。

だから、私は願った通りの男性と結婚できたたようだ。

結婚して何かを我慢したり制限したりするといったこともなく、

独身時代と同じようにやりたいことができているから、

結婚生活のストレスもあまりない。

まだ子どもがいないから自由でいられるだけなのかもしれないが、

今のところ結婚して随分と幸せだ。

 

一般的に、お酒はまだいいとして、

タバコとギャンブルはやらない男性が好まれる。

 

たしかにお金がかかるから、やらないに越したことはない。

だけど、一般的な価値観など何の当てにもならない。

少なくとも私はそうだった。

 

寡黙で仕事人間な父とお見合いで結婚した母に対抗するように、

私は、よくしゃべる仕事より遊びが好きな楽しい人と恋愛して結婚したけれど、

私も年を重ねて、

父や母が、私をいつだって大事に思ってくれていたことは

理解できるようになった。

両親を反面教師にしてしまった感は否めないが、

きっと両親は私が幸せであればいいと思ってくれているだろう。

だから私は、これからも自分の幸せを貪欲に探っていきたい。